笑って食べて、また来年!
2025.08.15
笑って食べて、また来年!
6年ほど前まで暮らしていた兵庫・西宮。阪神甲子園球場や六甲山、有馬温泉――自然と文化がほどよく調和した街は、私にとって大切な時間を過ごした場所でした。近所の子どもたちが仲良く遊び、その輪が親同士にも広がっていき、運動会や町内行事を重ねるたびに絆は深まっていきました。20年以上にわたる付き合いは、いまも続いています。
そんな仲間たちと、年に一度の恒例旅行。子どもたちは大学生や社会人になり、結婚した子もいて、それぞれの人生を歩んでいます。時の流れをしみじみ感じつつも、集まれば心はあの頃のまま。不思議とすぐに昔の空気に戻れるのが嬉しいところです。
今回の旅は、懐かしい仲間と大阪への弾丸旅行。まずはゆったりとした高級旅館で一息。畳の香りと木のぬくもりに包まれながら、温泉に浸かり、肩の力が抜けていくのを感じました。夜には、笑い声とお箸の音が重なり、早くも“あの頃の宴”が蘇ります。
翌日は、なんばで本場の「肉吸い」。だしの香りと牛肉の旨みが体にしみわたり、朝から思わず「これこれ!」と声が出るほど。お腹を満たした後は、吉本新喜劇へ。客席全体が笑いの渦に包まれるあの空気感は、やはり大阪ならではです。舞台を見ながら、子どもたちが小学生だった頃、家族ぐるみで大笑いした日々を思い出しました。さらに、熱気あふれる新世界へ。串カツを頬張りながら、ビールを片手に乾杯!仲間たちと肩を並べて味わうその時間は、何にも代えがたい幸せでした。
街並みやお店は少しずつ変わっているけれど、仲間と交わす笑い声や食卓を囲む温かさは、変わらずそこにある。「また来年も!」――そう言葉を交わして旅を終えた瞬間、変わるものと変わらないものが愛おしく感じられた最高の時間でした。