海の下を歩き、海の上で揺られる旅
2025.10.15
海の下を歩き、海の上で揺られる旅
先日、門司港を訪れました。
北九州市にある門司港は、かつて国際貿易港として栄えた歴史ある港町。
今では「門司港レトロ」として生まれ変わり、まるで時間がゆっくりと流れているかのような、どこか懐かしい風景が広がっています。

関門海峡は、山口県と福岡県の間にある細長い海の通り道です。見た目はとても穏やかで、埠頭沿いには家族連れや友人たちが海を眺めながら、のんびりと食事やおしゃべりを楽しんでいました。
私たちは門司港から関門人道トンネル(海面下約56メートル)を通って、徒歩で下関へ渡りました。
海の下を歩いて渡るという、少し不思議で面白い体験。
トンネルの途中には「県境」の表示があり、思わず足を止めて写真を撮ってしまいました。
帰りは、小さなフェリーに乗って門司港へ戻ることに。
デッキに出て、冷たいビールを片手に海風を感じながら、のんびり帰ろう──
そんな気分でいたのですが、船が走り出した瞬間、思いがけない展開が待っていました。
潮の流れに押されるように、船は波に打ち上げられながら進み始め、波しぶきを浴びながら、
両手でしっかりつかまっていないと振り落とされそうなほどの揺れ。
たった五分ほどの船旅が、まるでスリル満点のアトラクションのよう。
恐怖と笑いが入り混じる、忘れられないひとときとなりました。

関門海峡は、見た目は穏やかでも、実は潮の流れがとても速く、1日に4回も向きが変わるそうです。
そのため、船を安全に操るには、熟練した操船技術が必要なのだとか。
自然の力強さを肌で感じた今回の旅でした。
